Nainoa in Tokyo

24日にハワイに戻り、26日に再び東京に帰ってくるという離れ業を演じたナイノア・トンプソン氏は、疲れた顔ひとつ見せずに朝の10時半、東京・汐留の記者会見場に現れた。それは決して「日本来航決定!」という会見内容ではなく、あくまで日本に向かうかもしれないその日のために、〈ホクレア〉を「理解するための」記者会見だった。ナイノアの言葉によると「もしかすると来年は日本にお邪魔するかもしれないけど、その時はどうか受け容れてください」という謙虚なもの。集まった媒体は50を数え、人数は約80だったというから、明日以降〈ホクレア〉に関する報道が多くなると思います。どうかお楽しみに。全国ネットではフジテレビが本気になっているようで、記者会見の後、1時間近い単独インタビューを行っていました。こちらにも期待しましょう。



ところで記者会見の後、どうしてもカヌーを漕ぎたいというナイノアの希望があった。午前中は冷たい雨模様だったけど、ナイノアの希望は変わらなかった。夕方から別のスケジュールが入っていたにもかかわらず、「1時間でもいいから」ということだった。ということで、Uddhaさんは彼の自宅に置かせてもらっている僕のOC-1を葉山から運んできてくれた。早朝、僕のパドルが神隠しに会って見あたらなくなってしまったので、記者会見に来場予定だった茅ヶ崎の『YASU』に電話したら、「いいっすよ〜」ということで間に合った。そして……。

Uddhaさんは「ナイノアにひとりで漕がせたらかわいそうじゃん」という理由でカヤックを用意。ふたりで漕いでくれることになった。ホントはみんなで葉山あたりまで行きたいところだったけど、移動の時間がないので、東京の天王洲、海洋大学前の運河でナイノアはカヌーを漕いだ。

この場所も「時間がなくなったらヤバイじゃん」ということでUddhaさんが許可を取ってくれていたのだ。Uddhaさん、海のアポイントメントは完璧なのだ。そしてクルマ3台に分乗し、海岸通りの渋滞をかき分け天王洲へ! カヌーを降ろすとなぜか雲が切れ、日が差し始め、絶好のコンディションになった。ホントはもっとキレイな海の上で漕いでもらいたい、とは誰もが思うところだけど、それはもう言いっこ無しにしよう。

逆光で「ゆらぎ」模様を作る静かな水面を、ナイノアは波のように進んで行った。途中、橋の上からのぞき込む人たちに、ナイノアは声をかけ、手を振る。OC-1、ナイノアが漕ぐとホントにエレガントで、しかも速いのだ。

2人とも、少なくとも1時間ブッ通しで漕いでいた。「なかなか休んでくれないんだよぅ」と、瀬戸内横断隊の隊長であるUddhaさんは音を上げていた。「そろそろ上がらないと間に合わなくなりますよ」というカメラマンの言葉に、ナイノアは「だったらもう1周でちょうどいいね!」と、1周およそ10分の周回コースを再び出て行ってしまった。

文章が長くなった割に、言ってみれば天王洲でカヌーを漕いだ、というだけの話なんだけどね。でもわざわざこうして、こんな場所で一部始終を書きたくなる理由は、ナイノアだって普通の人に過ぎないと思うからなのだ。と、ここまで書いたところで急に出かけなくてはならなくなりました。続きは明日にでも更新します。
by west2723 | 2006-09-27 22:02 | ホクレア


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