日本の人たちに、ホクレアを返しに行く。
ナイノア・トンプソン氏は、どうやらそのような美しい構想を持っているようです。周りを取り巻く人々の思惑はともかく、ナイノアという人だけはあくまでも純粋で、謙虚で、こうして噂を聞くだけでもココロが洗われてしまう。 それでは「返しに行く」とはどういうことか? 具体的には各レグで、各寄港地の出身者がクルーとして乗り、降り立つということ。さらにはハワイアンのクルーとの通訳として、全航程乗るクルーも必要になる。つまり7人+1人の日本人クルーが乗ることになる、ということです。 どのような人たちが乗るのかによって、今回の日本航海の性格は大きく変わってくることでしょう。ナイノア氏本人が全員と会い、数日間つきあってから決めることができればいいけれど、そんな時間を取るのはとても不可能。となると、クルーの決定は誰かが代行することになるわけで……。 有明海の干潟を、あるいは瀬戸内海の潮流を、動力を持たない大きなカヌーが行くわけです。日本航海の現場では、おそらく火事場騒ぎが続きます。それを乗り越える「技量」と、ナイノアの意志を理解する「ココロ」を兼ね備えたクルーはどこにいる? あらゆる利害を越えて、クルーを探し出せる人物はどこにいる? お役所と漁業関係者の間を繋ぐ、そんな力量のある人物はどこにいる? ナイノア氏の志を正しく理解できる人々に乗ってもらわないと、日本航海はどこに向かってしまうのかわからないけど、ここは日本だからきっといるはず。僕は、がっかり失望して日本を去るナイノア・トンプソンだけは見たくないので、うまく探し出せることだけを願っています。こんな時にタイガーさえいてくれたらなぁ……。
by west2723
| 2006-09-02 06:02
| ホクレア
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