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ペットボトル泳法?

肩の可動域も広くなってきたので、リハビリと称して1年ぶりにカヌークラブの練習に顔を出した。とりあえず、ゆっくりした動きであれば痛まないし、そろそろ動きながら筋肉をつけて行きたいと考えたわけです。で、行ってみてびっくり。メンバーが増えてきたとは聞いていたけれど、中学生の常連さんも数名うれしそうに漕いでいるのだ。これは楽しいです。

彼らはとにかく泳ぐのが好きで、カヌーで沖に出て、ひと休みをするたびに「泳いでいいですか?」と聞いてくる。「行ってこい」という返事が来るまでもなく海に飛び込み、疲れればアマの上で寝そべったり素潜りを始めたり、カヌーからつかず離れず勝手に遊んでいる。何かこう、「分別臭く」ないっていいもんだなぁ、と彼らを見ながら思ってしまうのだった。そう言えば〈ホクレア〉クルーの資格に「2時間カラダひとつで海に浮かんでいられること」という項目があったっけ。

そんな少年たちの中の一人を見ていて感心したんだけど、彼はいつも2リットルのペットボトルを抱いて海に飛び込むのだ。で、立ち泳ぎで喉が渇けば蓋を捻って水を飲むし、疲れたらラッコみたいにボトルを抱いて仰向けに浮かんでいる。こういうペットボトルの使い方って初めて見たんだけど、よくあることなのでしょうか? 少なくとも僕にはかなり新鮮だったし、これから大いに使わせてもらいたいワザだと思った。もちろん2リットルのボトルを抱いて泳いで沖に行くのは大変だろうから、カヌーからのダイブ専用のワザとして使おう。それにしても、キミは賢いと思うよ。
by west2723 | 2008-07-22 20:18 | 海での話

最近、再び、

このブログを見に来てくれる人が、日本航海以来再び1日あたり100人を超え始めました(〈ホクレア〉が来ている頃、1000人を超えてビックリしたこともあったけどね)。内野さんの本が出たからかな? まとにかく、皆さん、ゆっくりして行ってください。日本航海を後から知った人も多いようなので、このブログの欄外「以前の記事」の、2007年4月から6月あたりをご覧下さい。これは自分で読んでいても、けっこう盛り上がります。自分で書いていたとはとても思えないコーフンがあります。あの頃は〈ホクレア〉に書かされていたのかもしれない。
by west2723 | 2008-07-20 00:47 | ホクレア

野茂英雄引退について語ろう!

いつかこういう日は来るものだけど、ロイヤルズから戦力外通告された後、日本に帰国してからもトレーニングを続けていた野茂英雄投手が、今になって引退宣言するとは思っていなかった。とは言えメジャーリーグには、ロジャー・クレメンスのように引退を撤回する選手も多いので、年末には再びカリビアンリーグに行くとか渡米する可能性がないでも無いかな。しかし初めて引退の決意を聞いてしまったのだ。何となく、ココロのどこかに大きな穴が空いてしまったような気分だ。

〈ホクレア〉を知るまで、僕にとって雑誌を作る動機となり続けたのが野茂英雄だった。今になって思えば、双方に共通するものは「道を拓く」ということだった。日本人メジャーリーガーとしてはもちろん、近鉄バファローズ入団当初から何もかも新しいものずくめの投手だったのだ。何よりも、今でこそ当たり前になった投手のウエイトトレーニングを、日本で最初に始めたのが野茂だった。

それまで、投手はボールより重いものを持ってはいけない、と言われていたらしい。にも関わらず、周囲の視線には見向きもせず、無意味な走り込みには加わらず、チューブによる軽い負荷で腕を内外旋される見慣れないトレーニングを始めた。今でこそ多くの人が知ることになったインナーマッスルという言葉は、このトレーニングを通じて、当時野茂のコンディショニングコーチであった立花龍司さんが広めたものだ。

古いタイプの指導者は、どう見ても不合理なフォームを変えさせようとした。しかし「あれこそ野茂の個性なのだから」と周囲の反対を押し切って変えさせなかったのが、当時近鉄バファローズの監督を務めていた仰木彬監督だった。「そのかわり、ヤツのカラダにはかなりのムリがかかると思うから、その『新しいトレーニング』でヤツを守ってやってくれ」と、立花コーチにすべてを託した。

当時の立花さんは、プロ野球選手経験の無い新人コーチに過ぎなかったにも関わらず、それほどの大役を任されてしまう。仰木監督という人も、破格に太っ腹な指導者だったんだなぁ、と思う。すでにご存じの人も多いとは思うけど、イチローのバッティングフォームを変えさせなかったのも、近鉄からオリックスに移った仰木監督なのだ。ついでに言うと鈴木一朗という名前を「イチロー」に変えたのも仰木監督。この人は歴史に残る名プロデューサーでもあったというわけだ。

以降、野茂のトレーニングは「メジャー流トレーニング」と呼ばれ、徐々にプロ野球界にも浸透して行った。一方の野茂は新人ながら最多勝投手に、そしてそのまま4年連続で最多勝の座を守ることになる。この頃、メジャーリーグファンの多かった近鉄バファローズのロッカールームでは、毎晩のようにメジャーの試合のビデオが流れていた。すでに日本のプロ球界では頂点に上り詰めていた野茂英雄は、ビデオを見ながら「クレメンスのまっすぐに比べて、僕のまっすぐなんてまだまだ子どもじゃないですか」と立花コーチに語っていたという。

強烈な反骨精神とともに日本のプロ球界で戦い続けてきた野茂英雄ではあったけれど、仰木彬監督がチームを離れ、「草魂」の鈴木啓示監督の下ではうまく行くはずもなく、対西武戦で十数回にも渡る不合理な連投を強いられたことを契機に退団を決意。それがあのメジャーデビューへと繋がって行ったのだった。今でこそ「日本人メジャーリーガーの道を拓いた」と言われるけれど、あの時の野茂は、ほとんど日本を追われるようにアメリカに出て行ったし、多くのメディアは成功など期待していなかったはずだ。しかしデビュー戦では勝ち星こそつかなかったけど7回3分の2を投げて11奪三振。その半年後には新人ながらオールスターに出場し、メディアは一斉に手のひらを返したのだ。

あの頃のニュースを観ながら、僕は居ても立ってもいられなくなり、「あの編集部」に異動を申し出た。それで雑誌の上には新種のトレーニングを紹介するページが多くなって行ったのだけど、売れるようになったんだからいいよね。ついでに言うと、あの頃は〈ホクレア〉のようなテーマに出会うとは思ってもいなかった。ジンセーとは不思議なものですね。野茂英雄と〈ホクレア〉が繋がってしまうんだから。でも、どちらも「道を拓くもの」としては共通している。もともと僕はそういうテーマが好きだったのかもしれないな、と、今になって思う。

僕がこれまで取材で会ったアスリートは、軽く100人を越える。だからなのか、「そんなあなたはいったい誰のファンなのですか?」と聞かれることが多い。もちろん言うまでもなく「野茂英雄」と答えている。子どもの頃は王貞治で、少しオトナになった頃にはアイルトン・セナと答えていたもんだけど、今ではどう考えても野茂なのだ。イチローは見ていて楽しいけど、なぜかシンパシーが湧かない。松井秀喜はホームランを打ってこそナンボの選手だと思う。となると今の日本人メジャーリーガーに魅力のある選手が見あたらないんだよなぁ。しいてあげれば松井稼頭央かな。

最後に蛇足ながら、野茂英雄追っかけ時代の仕事も相変わらず続いています。ちなみに故障した僕の肩のリハビリを担当してくれているのは、今でも野茂のコンディショニングを担当しているパーソナルトレーナーなのだ。これで治らなければバチが当たるというもんですね。
by west2723 | 2008-07-18 03:29 | スポーツ

PILGRIM〜Eric Clapton

c0090571_2154241.jpgいや、あついですね。「暑い」と書くとけっこうあっさりした暑さのようだけど、ひらがなで「あつい」と書くと、東京特有の粘りのある暑さが表現できるような気がする。もう銭湯の脱衣場にでもいるような暑さ。東京は7月13日から15日までがお盆の家が多く、僕の家でも盆提灯を飾り、キュウリやナスで懐かしい人を出迎えた。キュウリは馬で、早く戻っておいでという意味。一方のナスは牛で、ゆっくり帰ってくださいという意味らしい。佃島でも盆踊りがあった。これは東京都の無形文化財らしく、太鼓と語りだけで踊る。真っ白い提灯で飾られた、それはそれは泣けてくるほど幻想的な盆踊りなのだ。

ところで話は全然変わるけど、あついというだけで脊髄反射のようにビールを飲んでいる自分にも飽きてきたなぁ、と思うことがあり、試しにスパークリングウォーターを飲んでみた。コン・ガスとも言うね。ところでこれが実にいい! 何がいいってシュワシュワ感はビールと変わらないし、酔っぱらわないところがいい。夜なんて眠くならないからギターの練習だってできるし、こうしてブログの更新もできる。銘柄は今のところ何でもOKです。ペリエでもサンペルグリノでもいいから冷蔵庫に冷やしておいて、軽くライムを絞ってできあがり。そろそろビールに疲れた方、お勧めです。

ということで本日のBGMはEric Claptonの『PILGRIM』でした。これは10年も前に出たアルバムだけど、毎年、梅雨時のまったりした夕方に聴きたくなる。なぜだろう。
by west2723 | 2008-07-16 21:00 | 音楽

『Live Simpley』って何だろね

仕事の合間に買い物をしていたら荷物が増えてしまって……、最後に立ち寄ったアウトドアショップでトートバッグを買った。いろんなデザインがある中から、ギターのイラストに『Live Simpley』と書かれたものを選んでみた。でもね、これを提げて外を歩いていることにけっこう恥ずかしくなって、結局は裏側を外に向けて地下鉄に乗ってしまった。

シンプルに生きるって、いったいどういうことなんだろう? シンプルに生きている人って、いったいどのような仕事をしているんだろう? この社会と、経済と、どのように関わっているんだろう? 
そりゃたしかに休みの日くらいはシンプルを装うこともできるだろうけど、問題は仕事も人間関係もある平日なのだ。こうして今の日本で収入を得ながら暮らしている限り、シンプルに生きるにはかなりのムリを強いられる。自分が関わらざるを得ない社会が、決してシンプルではないからだ。経済的にも社会生活の上でもただならぬ我慢や犠牲やアツレキが予想される。それほどムリして続けるような生活を、果たしてシンプルと呼ぶことなんてできるんだろうか。

なあんて、地下鉄の駅の階段を下りながら、余計なことを考えてしまったのだ。もちろん、憧れることは自由なんだけど。
by west2723 | 2008-07-09 21:54 | 陸での話

夢と現実の分水嶺

内野加奈子さんのトークイベントに出かけた。内野さんに会うのは、たしか去年の7月29日、東京海洋大学でのシンポジウム以来だ。今回の帰国は本のプロモーションで忙しいはずなので慌てて連絡は取らなかったんだけど、会えばいつもの通りの世間話が始まる。それにしても何だね。内野さんは以前にも増して「眼力」が出てきたな、と思った。「そんなにキレイな眼で、こんなオレを見ないでくれよ」ってビビるくらいのパワーだった。

帰国してから1ヶ月ほどの間、内野さんはホントにこまめに、かつ精力的に、北は北海道から南は愛媛まで、〈ホクレア〉来航1年後のために奔走しているという。迷うこと無く「次のはじまり」を実践しているのだ。科学博物館に集まった20名ほどの熱心なお客さんの質問に対しても、真摯に考え、言葉を選び、丁寧に答えてくれていた。航海中の水や食料のこと、女性であるが故にカヌーの上で思うこと、クルーであるための資質、などなど、明らかに「最近本気で〈ホクレア〉に興味を持ってくれたんだな」と思しきお客さんの質問に対して、実に的確な回答を聞かせてくれた。

水や食料については「40日分積んでいる」こと。そして「航海中は何があるかわからないので、実際にはこれが30日分くらい」であること。女性であるが故に、という問いに対しては「私自身も最初は出過ぎたことをしてはいけないのか、と遠慮したこともあったけど、ナイノアに『最初の航海士は女性だったんだ』という話を聞かされて自信を持っていった」こと。クルーの資質については「人にはそれぞれ役割があり、それをいち早く理解し、着実に実践できること。だからこそ、誰にでもクルーになれる資質はある」ということ。

「ただし、海の上での喧嘩は自殺行為だけど、誰が喧嘩っ早いかなんて事前にわかりませんからね」というような、当たり前のようでいて、示唆に富んだ言葉が続いた。その間、質問してくれた人たちの「いい感じ」での素朴な疑問に、僕は〈ホクレア〉という名前が確実に多くの人の間に浸透し始めていることを感じていた。あの場に集まった人たちと、できれば車座になって酒でも酌み交わしたい気分だった。どうか皆さんこれからも、ココロの片隅に〈ホクレア〉を浮かべておいてくださいね。

とても暑い1日だったので、終了後は軽い打ち上げに出かけた。ウッチーノさんと博物館やプラネタリウムの関係者に加えて、ウッダさんと僕を加えたメンバー。〈ホクレア〉がらみの集まりには、このようなアカデミックな集まりと、サーファーやパドラーによる賑やかな集まりという2通りの集まりがあって、こんな両極端が存在することも〈ホクレア〉の特徴だと思っている。アカデミック編では知らないことが多いので、僕はもっぱら聞き役に回る。内野さんも謙虚な人柄のせいか、聞き役に回っていることが多い。久しぶりにこのメンバーで集まると〈ホクレア〉以外の話で盛り上がることも多いんだけど、このような話の中から、何か次の展開が生まれてくるのかもしれない。

そして今日、早朝5時から、科学博物館にも来場した『Aloha! 未来』の吉田清継さんと、〈ホクレア〉とは全く180度違うタイプのロケに出ていた。クルマの広告で、しかも女性誌の仕事だった。この仕事を始めるにあたり「誰か撮影が速くて腕のいいビデオカメラマン知らない?」と周りに声をかけていたら、偶然にも信頼する人から吉田さんを紹介されたのだった。これも何かの巡り合わせなんだろうな。つまりこれは、今はキミたち、全然違う分野で腕を磨いておきなさい、という「何かの声」なのだ。こういうことの後には、決まって何かが起こる。いったい何が始まるのだろう?

だからこの仕事は楽しい。あまりに現実的な仕事を通じて何かを学びながら、いずれみんな、また一つにまとまるんだろうという予感がある。内野さんも忙しい、内田さんも西村さんも、みんな現実に向き合って忙しい。でもこの山は、いつか越えられるのだ。だから今は分水嶺のこちら側で、それぞれのスキルを磨いておこうと思うのみ。頑張りましょう。
by west2723 | 2008-07-07 21:30 | 陸での話

タコ大発生

今週の大潮、水曜、木曜あたり、相模湾はタコ祭りだったらしい。葉山在住の人の話によると、潮が引いた後の海岸はタコだらけだったという。温暖化のせいかどうかは知りませんが、何はさておき目の前にイキのいいタコがいれば捕りたくなるのが人情というもの。一匹いただいてタコ刺しにしたり唐揚げにしたり、泡盛が進みそう。そしてもちろん、スーパーで売られているものとは較べものにならないくらい美味しかったという。そういう時にこそ僕を呼んで下さいね。

でもやっぱりいるんだね、自分で食べる分以上捕ってしまう人が。中には50匹(ところでタコの単位は「匹」でいいんでしょうか)くらい捕って魚屋さんに売り歩いている人もいるという。まあ、魚が高くなった時節柄もあるんだろうけど、そうやって始まる独り占めこそが平和を乱すもとになる。モノの作りすぎが環境を壊すようにね。ということで、それを生業にしている人以外、海からの恵みをいただくのは自分の分だけにしたいものです。

ところで原油価格の高騰です。漁業関係者にとって、これはもはや死活問題だという話を聞いた。たとえばクルマの場合、満タンで数千円高くなる程度で済むけど、漁船となると万単位で違うのだという。いつも当たり前のようにいただいている魚だけど、陰にはこのような経費がかかっていたのだ。ただし、それもこのあたりが我慢の限界。あまりに無策な政府への抗議をこめて、今月16日、ほぼ全国の漁船が操業を停止する、つまりストライキに入るという噂を聞いた。海から漁船が消える?

「じゃあ、その日は寿司屋に行くのやめよう」というような小さい話ではなく(スト期間中の寿司ネタくらい確保できるそうです。ご安心下さい)、彼らに対する連帯の思いを込めて、勝手に、個人的に、この日はできるだけ石油に関わらない日にしようと考えている。となると乗り物には乗れない、電気も使わない方がよさそう、もちろん冷蔵庫は空にしておかなくては……。つまり、じっとしているしかないということかも。ひとりアースデイだね。夜はキャンドルナイトです。暑苦しそうだけど。
by west2723 | 2008-07-04 23:37 | 海での話