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雨上がりの夜空に

シンポジウムも終わっちゃったね。これでいよいよ〈ホクレア〉がハワイに帰ったと思った。と言うよりも、ホントに日本に来ていたのかな? と思った。僕が沖縄の沖で見たカヌーは、ホントに〈ホクレア〉だったのかな? 七里ヶ浜で多くのサーファーに囲まれていたカヌーは、ホントに〈ホクレア〉だったのかな? 時間が経つに連れ、日本航海を総括するどころか、あれは夢だったんじゃないかと思い始めている。あれを事実と認めることによって、いよいよ自分たちの航海を始めなくてはならない。それがちょいと怖いのよ。あなたには目指すべき島が見えていますか?

シンポジウム、良かった。教育関係の方々が開いたイベントだったので、僕はただ話を聞くのみだったけど、雑誌の現場とは全く違う視点で語られる〈ホクレア〉はとても新鮮だった。「〈ホクレア〉は教室である」とはよく聞く言葉だけど、「教室が〈ホクレア〉であってほしい」という教員の方の言葉に、僕の目からウロコが落ちた。カヌー=島=地球という図式に、新たに「教室」を加えてみると、このシンポジウムが訴えていたテーマが見えてくる。

「誰も行こうとしない航路を〈ホクレア〉は伝統航海術でやって来たんです。やはり彼らはホンモノなのです」「我々の生活で使われるものの多くが船で運ばれてきます。しかし、船乗りを目指す若者は少ない。となると、近い将来、オイルショックのようなものが頻繁にやって来ることでしょう」「〈ホクレア〉に関わると、理科でも社会でも外国語でも体育でも、あらゆる科目の先生方と協力し合える。この多様性が、非常に示唆に富んでいる」「日本航海が成功だったかどうかはまだわからないな。ここに集まった子どもたちが将来も同じ夢を持ち続けていてくれれば、成功だと思う」

篠遠喜彦先生は締めの言葉で「日本から直接ハワイに行った人たちもいるはずだ」と、自由なイメージを語ってくれた。それを証明するのは先生ご自身なのか、あるいは次の世代なのか。いずれにしても、学問だって勇気を持って誰も行ったことのない航路を行くべきだというメッセージが伝わってくる。あれはビショップ博物館から国立科学博物館へのエールだったのかもしれない。ガクモンとは、非常にクリエイティブなものなんだなぁと思った。カッコいいです、篠遠先生。

ヤップ〜沖縄間のようすをスライドショーで語った内野かなこさんの仕切りも見事でしたね。「こんな時にナビゲーターは何を考えているのか、隣のナイノアさんに聞いてみましょう」というような掛け合いは、ライブじゃないと聞くことができないものだった。「おいおい、そこでナイノアさんにマイクを向けるなんて無謀だろう、話が終わらなくなっても知らないぞ」とは思うけれど、お陰でナイノアさんは本当にカヌーの上にいるような顔で語り始める。今まで聞いたことのない話ばかりだった。でもごめんなさい、非常に長くなるので今は紹介できません。いずれにしても嵐のシーンの話でした。そしてその時、越中島上空ではホンモノの雷が鳴り始めるというオマケまでついてきました。

シンポジウム終了と共にナイノアさんはハワイに帰らなくてはならず、懇親会の前に慌ただしくお見送り。一瞬止んでいた雨も、ナイノアが帰ると共に激しく降り始めた。あの人は正真正銘の晴れ男だと思う。関東地方は〈ホクレア〉が帰った翌日に梅雨に入ったもんだった。懇親会が終わっても雨は止まず、スタッフの多くは思い思いの場所で雨宿りを始める。荒木タクジさんは今日中に沖縄に戻りたいとのことで、出迎えのクルマで会場を後にした。内野かなこさんは、静かになった会場の廊下で真剣にアンケートに目を通している。このブログの常連さんは、喫煙所で濡れながらミクロネシアの話で盛り上がっている。

大島商船高専の藤井先生は、昨日飲み残した焼酎が気になっているご様子だ。「もう濡れてもええから、行こうや」ということで、僕は昨夜と同じオトコくさい顔ぶれで、昨夜と同じ門前仲町の居酒屋に向かった。これで明日も二日酔いかよ〜、と弱気な気分になるけれど、藤井先生のオトコっぷりにやられて、つき合ってしまうのだった。「あの〈ホクレア〉いうのはホンモノやぞ」。それにしても僕が知り合う瀬戸内海の人って、どうしてみんなダミ声なんだろう?

あくまでも居酒屋レベルでの取材によると、突然発表された〈ホクレア〉の世界1周は2年がかりになるらしい。寄港地はハワイ〜ニュージーランド〜オーストラリアを左回りに周航〜インド洋の島々〜インド〜紅海〜スエズ運河〜地中海〜アフリカはたぶんダカール〜ブラジル〜南米大陸を左回りにパナマ運河〜カリフォルニア〜ハワイ。日本には寄れない。「地中海はいきなり荒れるから、喜望峰を回った方がええんちゃうか」というのが藤井先生の意見。いずれにしても、〈ホクレア号〉はまだまだ西に向かうのだ。

そんな話で盛り上がっているうちに、Uddhaさんは終電を迎える。僕の家は東京駅に近いので、Uddhaさんをタクシーで送って帰ることにした。気づいてみると、雨は止んでいた。
「もう、これでホントに終わっちゃいましたねぇ」「何〜に言ってるの。これからが始まりだって、さっきまで言ってたばかりじゃん」「でもねぇ、日本航海は終わっちゃったんですよねぇ」
ほら、船で陸を離れても、しばらく陸が見えているでしょう? これまではあんな感じだったんだ。〈ホクレア〉が帰っても、しばらく余韻は残っていた。しかし、シンポジウムが終わって、いよいよ陸は見えなくなった。今はそんな気分なのだ。
by west2723 | 2007-07-30 11:40 | ホクレア

〈カマヘレ〉からの帰還!

昨日の夕方、茅ヶ崎のYASUから電話が入った。「今、どこなのよ?」「茅ヶ崎ですよ〜、さっき帰ってきましたよ〜」ということだったので、今日の昼、ちょいと会いに行った。まずは元気そうで何よりだけど、やはり〈カマヘレ〉での25日間の航海はタダゴトではなかったようだ。

「こうして座って両手で茶碗を持ってメシ食えるだけで幸せですよ」
つまり〈カマヘレ〉は激しく揺れるわけです。船の上では常にどこかにつかまっていないと立っていられないし移動もできない。ご飯を食べる間も、必ずどこかにつかまっていなくてはならない。しかも耳元からはエンジン音、寝室だって常に濡れている。そんな状態で3週間も船に閉じこめられているなんて、想像するだけで船酔いしてしまう。

日本を出てしばらくは前線を抜けられず、25日間で最も揺れたと言う。日本の海はキビシイのだ。航海に慣れていないクルーは、まずここでやられてしまう。しかもそこから先、逃げ場のない船の上、自転車並みのスピードでハワイまで3週間を過ごさなくてはならないんだから気が遠くなる。
「さすがにミッドウェイのあたりで『降ろしてくれ〜っ!』と思いましたけどね」
胃の痛みに耐え、筋肉もすっかり削げ落ち……いやはや、タイヘンな航海だったのだ。

3週間の間、すれ違う船は数えるほどだったという孤独な旅。毎日届くはずの気象情報は3日に1度くらいしか入ってこない。不気味な濃霧に包まれる夜もあったし、難破船には遭遇するし、まあ、ろくなことはない。しかし満月の夜、月明かりが作るでっかい虹を見たという。朝日夕日は言うに及ばず、陸上では見ることのない風景が連続する。
「ハワイには北から入るんですね。ノースショアを見て、東海岸をダイアモンドヘッドの方へ回って、いやもう、船で入るハワイってのはいいもんですよ」

何よりも冷たいビールとコーラが飲みたかった。陸に上がっても1週間ほどは陸酔いが抜けず、トイレに座っているだけでよろけることもあった。
「出迎えは極めてシンプルでしたけど、日本人が〈カマヘレ〉を届けたという事実が残ればそれでいいんです」
到着後のハワイでいろいろアイデアはあったけど、とにかくのんびりしようということで、リハビリがわりにホノルルで波乗りをして過ごした。

そして帰国翌日、YASUは早くも茅ヶ崎でのサーフィンスクールで働いている。お疲れさまでした。宇和島ヨットクラブの人たちもお疲れさまでした。〈カマヘレ〉を返しに行くという思いつきはカッコ良いけど、行けるカラダがないと耐えることなんてできない。気持ちだけではどうにもならない。生きてハワイに辿り着けるかどうかも怪しい。やっぱ、それをやっちゃうあいつらは凄いよ。
by west2723 | 2007-07-26 19:47 | ホクレア

ナイノア・トンプソン氏からの宿題です

ナイノア・トンプソン氏によると「〈ホクレア〉が、日本や日本の人たちにもたらしたものは何だったのか、シンポジウムではぜひ日本の皆さんに聞いてみたい」とのこと。当日はアンケートのようなカタチで用紙が配られると思うので、筆記具をお忘れなく。メッセージは確実にナイノア氏に届けてくれるそうです。なおシンポジウムに来られない方は、このブログにコメントとして残していただいても結構です。僕にとっては何がもたらされたんだろう……なんて、まだまとまってはいませんが、少なくとも西日本各地に友人ができました。これはとても大きなことです。
by west2723 | 2007-07-22 00:22 | ホクレア

〈ホクレア〉の写真、募集中!

お久しぶりです。休みに入るとコンピュータの電源が遠くなり、すまんこってす。梅雨は明けそうにありません。オホーツクの高気圧が頑張っているし、太平洋高気圧はなかなか現れない。もしかすると長期予報に反して、今年の夏はずっとこんな調子なのかもしれませんね。ところで今日、7月20日付の朝日新聞、「ひと」の欄は内野かなこさんらしい。今、ワタクシは山奥におり、あさしひんぶん、あ、打ち間違えた、朝日新聞が手元に無いので見てませんが、チェックしてみてください。

そして7月29日のシンポジウムの件でお知らせ。南山大学の後藤明先生からのメールを、そのままコピペします。

(1)昼食
当日は日曜日であり、会場の東京海洋学越中島キャンパス付近にはあまり食事の場所がありません。できれば昼食は各自が持参されることをお勧めします。

(2)昼食時のプログラム
昼食の開始と同時に1時間(12:00ー13:00)、会場の正面スクリーンでホクレア日本来訪関係のスライドを上映する予定です。また13:00ー13:30まで、正面スクリーンにてスカイプを介してハワイのイミロア天文センターと中継を行います。ハワイ側の出演者は沖縄・福岡間の船長であるチャド・バィバィアンさんを予定。現在ハワイ島で行われているカヌープログラムについて御紹介いただきます。その後、時間の許す限り双方向の会話を行いたいと思います。このため繰り返しますが、昼食は会場でおとりになることをお勧めします。

(3)皆さんが撮られたホクレア号日本航海関連の写真を持ち寄りませんか? 
海洋大の懇親会場に、皆さんの写真を掲示するスペースを用意します。台紙に写真と説明を自由にレイアウトしてお持ちください。台紙は1人1枚、最大A3サイズとし、その中であれば写真は何枚でも結構です。

ということです。
海洋大学周辺は僕の地元でもあるのでわかるんですが、大学の近くに食べられる店はホント少ないです。多くの方は東京駅乗り換えの京葉線各駅で来ることになると思うので(東京駅でやたら歩くことになるけど)、前もって東京駅で買っておくか、駅を出たらコンビニを探しましょう。月島から来る方は、リバーシティ方面出口の前にセブンイレブンがあります。

終わった後は門前仲町にいい飲み屋が多いです。でも日曜日だから開いてないかな? なお、海洋大学正門前に江東区営のプールがあり、ここがなかなかゴキゲンな屋外の50mプールなのです。しかも空いているし1時間遊んで300円ポッキリ。でも、シンポジウム当日は行くヒマないか。ところで当日は参院選ですね。遠方からお越しの方は期日前投票を済ませておきましょう。
by west2723 | 2007-07-20 20:12 | ホクレア

梅雨とか台風とか

〈カマヘレ〉は16日にハワイ到着だってね。航海は順調で、みんな元気みたいです。ホントによかった。そして、ゴクロウであった。ずっと〈カマヘレ〉に閉じこめられていると、たまには散歩したり外を走りたくなったりするんじゃないかと、妙なことが気になってました。早く陸に上げてやりたいもんだね。到着を見に行きたくなったんだけど、今からじゃ間に合わないかな?

ジャパンは梅雨です台風です。〈ホクレア〉ご一行さまは梅雨の風景を見ることなく帰ってしまったけど、この長雨がタロ・パッチならぬライス畑、つまり田圃を潤す風景を見てほしかった。台風はヤバイね。ほぼ〈ホクレア〉と同じコースを辿るようです。西日本の皆さま、どうかお気をつけて。
by west2723 | 2007-07-13 22:17 | ホクレア

今はもう、まるで秋の気分

なんだろね。〈ホクレア〉が来ている間は陽に焼けるほど暑く、帰ってから梅雨らしい天気になったわけだけど、もう夏は終わったような気分になっていた。しかしふと気づいてみると、今はまだ梅雨で、これから暑い夏が来るんですね。キモチの切り替えって、やっぱりタイヘンなんだなぁ……。と、相変わらずぐったりしています。とは言ってもシゴトだけはけっこう忙しいんだわ。昨日の海洋大学にも、今日の東京天文台にも行けなかった。イチローのランニングホームランも見逃してしまった。何たって今週は3つのロケを予定していた。しかし雨の予報のせいですべて前日キャンセル。その再設定に追われるだけの、結局何も生まれない慌ただしさだった。
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ちなみにテレビ新広島のダミさんの番組、オンエアは8月18日(土)の16:00〜16:50の予定だそうです。タイトルは未定。当面は広島だけでの放送。なに〜ぃ、全国ネットじゃないだと? しかもたったの50分だと〜? まあ「当面は」ということなので、今のうちに彼にはさらにプレッシャーをかけて「全国」をゲットしましょう。なんて言ったところで、宮島に入った段階ですでに1時間30分を越えたそうです。ここから先、いったいどうやって編集するんだろう? ムリしないで8回連続くらいにすればいいのに。ところで『ターザン』は8月8日発売です。たったの6ページで沖縄から横浜までまとめるという、ムチャな入稿をすでに終えました。もう、ホントに夏は終わっちゃったな。

現在、〈ホクレア〉はハワイ島の航海カヌー〈ホクアラカイ〉と一緒に、サンドアイランドで〈カマヘレ〉の到着を待っているらしい。到着後はそのまんまニイハウ島に行き、さらにはハワイ諸島全島を回って、出航前と同じハワイ島のナビゲーション・ポイントで最後のセレモニー。それにて今回の航海が終わるのだという。その頃には9月に入っているんじゃないんだろうか?

上の写真は楽しかった今年の夏のひとこま。手前のカヌーの後ろから2番目、写真を撮っている女性は、〈ホクレア〉から飛び込んでこっちのカヌーに乗り移った〈ホクレア〉の弁天さま、内野かなこさんです。この人ったら、海の上では、まるで魚のように自由に動き回ってました。さすがに〈ホクレア・クルー〉の水慣れって、超人的だね。
by west2723 | 2007-07-12 01:40 | 陸での話

『ホクレア号、西へ向かう』閉店は今月末まで延期します。

このブログもそろそろ役目を終えたかな、なんて書いて以降、いろいろな人から「ブログやめちゃうんだって?」と聞かれたりメールをいただいたりしました。けっこう意外な人が見ていてくれたようで、今さらながら〈ホクレア人気〉を再認識したもんです。でも「やめる」というニュアンスじゃないんだよなぁ。もともとこのブログは日本航海に備えて〈ホクレア〉の知名度を上げ、日本航海本番では各寄港地に向けた「業務連絡」に使うつもりだったので、〈ホクレア〉が無事に帰った今、自ずと役目を終えるものだと思っていたわけです。

とは言え、語り尽くしていなかったこともいくつか。たとえば右下のhirocchiさんのコメントをご覧下さい。僕はいいとして、長い間〈ホクレア〉来航を望んでいた人たちの努力は、この日本航海で報われたのか、彼らはこの結果をどのように感じているのか、非常に気になっています。だからこそ29日のシンポジウムは重要です。彼らはこれから、日本航海の成果をどのようにカタチに変えて行くのか、ここに集まった皆さんと共に見守ったり手伝ったりしたいと思っています。ひとまず7月は南山大学の後藤明先生が勝負に出ているので、もう少しおつき合い。このブログの最後の挨拶はちょいと先に延ばします。それまではゆるく開店してますので、これまで通りコメントを残してください。

今から4年前、僕は雑誌の仕事を通じて、まずは〈ホクレア〉の存在を多くの人に知らせたいと思いました。続いて今年、ハワイ州観光局の方々が、誰にもできなかった日本航海を実現させてくれました。そして航海も無事に終わった今後は、〈ホクレア〉がカラダを張って伝えようとした「理想」を各々の人たちが実践する段階に入ります。その点において、国立海洋大学、国立科学博物館、沖縄・海洋博公園にある海洋文化館などなどの教育機関が足並みを揃えてくれたことは、非常に心強いことです。僕も再び学生として、海洋大学に入りたいくらいです。次のブログは、この人たちの中から登場してほしいと思うのだけど、どうだろう?

ところで今日は七夕。東京は曇り空です。皆さんの街から、織り姫&彦星は見えますか?
by west2723 | 2007-07-07 12:56 | ホクレア

ありがとう〈ホクレア号〉〜その2 & 少し更新

もう7月になってしまいました。たしか7月3日が1年の真ん中だったんじゃないかな。
そうです。今年の前半は〈ホクレア〉に追われ〈ホクレア〉と共に幸せに終えることができました。あれほど夢見ていた日本航海の余韻からは抜け出せないけど、もうそろそろ〈ホクレア〉を卒業しないと明日が始まりません。ということで、そろそろこのブログもお開きにしようかと思います。

思えばハワイ島出航の取材に行こうと予定していたのが1月4日。しかし、出航が延期になったという報せが入ったのは前日、1月3日のことだった。この「迷惑な」カヌーは、僕にお正月気分さえ許してはくれませんでした。似たような思いを日本中の多くの人たちが経験したはずです。しかし〈ホクレア〉が海に浮かんでいる姿を見るとすべてが許せてしまう。なぜだろう。

しかも僕なんて、もともと船にもカヌーにも航海術にもセイリングにも海洋文化なんてものにも興味は無かった。もしかすると今でも無いのかもしれない。しかし〈ホクレア〉の姿を見ると、カラダの奥底のDNAが騒ぎ出し、カラダが勝手に反応してしまうからどうしようもないのだ。やがていつの間にか海に通うようになっていた。この夏は暑そうだし、ヒマさえあれば海にいることになると思う。
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昨日、〈ホクレア〉はホノルルに到着しました。マカさんも、今頃は〈ホクレア〉の元に戻っているはずです。〈カマヘレ〉のメンバーも、どうやら仲間割れせずに順調な航海を続けているようです。となると、このブログの役目も、これで終わったのかなと思います。毎日300を越える方々との会話に後ろ髪を引かれながらも、この次を最終回にさせていただこうと思います。

このブログを終了するにあたり、いろいろ総括めいたことをやらなきゃいけないかな、と思っていました。でも、試しに言葉にしてみると非常に長くなってしまうんです。そんな拙文を読んでもらうよりも、皆さんの目やアタマやココロに刻まれた〈ホクレア〉の姿を大切にしてもらった方がいいのかもしれない。みんな違う個性、違う生き方、違う土地での違う生活環境。みんなオトナなんだし、そこに僕の総括なんて必要ないのではないかと。皆さんが〈ホクレア〉を目撃して思ったことは、これからも「違い」を超えて、それぞれの生活の場で周りの人たちにシェアしてほしいと願っています。

とは言え、皆さんからの〈ホクレア〉日本航海の感想や、これからのこと、などなども聞いておきたいので、ここで最後にコメント大会を行いましょう。この場はしばらくここに置いておきます。僕がコンピュータの前に座っている限り、できるだけ早めにご返事いたします。皆さん同士で勝手に盛り上がっていただいても結構です。そして今後、また何かコトを起こす時のために、非公開コメントでメールアドレスを教えて頂ければ幸いです。もちろん、7月29日の海洋大学でのシンポジウムには出席しますので、その時でもいいですよ。それでは!

と思っていたらここで追伸です。7月29日にシンポジウムを開催される南山大学の後藤明先生からのお知らせです。7月11日(もう来週じゃん!)、東京・三鷹の国立天文台(住所:東京都三鷹市大沢2-21-1)にて、ミクロネシアの航海士、マニー・シカウ氏とローレンス・カニンガム氏をお招きしての講演会です。凄いね。後藤先生の周りでは、すでに〈ホクレア〉後が始まっています。

●お問い合わせ先/国立天文台・国際連携室 0422(34)3947

なお、以下にシカウ氏来日に関するスケジュールをまとめておきます。

●7月6日 マニー・シカウ、ラリー・カニンガム両氏来日。沖縄に移動。

●7月7日 沖縄海洋博公園海洋文化館と美ら海水族館見学海洋文化館におけるプラネタリウムの海洋プログラムや展示品の修理への助言、また今後の「カヌー教室」運営などへの助言。

●7月8日 「第一回国際舟文化プレサミット」
宜野湾マリーナにて沖縄のサバニ関係者とのセミナー。
10:00から15:00予定。一般来聴歓迎。
TSS側からTSSの立ち上げの経緯、運営の現状、過去における航海の状況、航海術などの講義。沖縄側から糸満と伊江島における伝統的サバニ作りについて報告。また帆走サバニによる航海やレースの状況の報告、意見交換会。通訳付きの予定。
15:00頃から帆走サバニの試乗会。
懇親会(夜)

●7月10日 東京海洋大学第4回海洋文化フォーラム 海洋大越中島キャンパス。一般来聴歓迎。
<1> カヌー文化や伝統的航海術の講演会 (講堂:16時30分より 90分)
    カニンガム氏、後藤 明
<2>マニー師による貝を配したスターチャートを使って、「スターナビゲーションによる航海術」の実演  (柔道場:18時30分より 60分)
懇親会(夜)

●7月11日 国立天文台で上記のイベント

●7月14日 下関の水産大学校主催の海洋文化セミナー予定。
下関市内、一般来聴歓迎(午後)
マニー師、カニンガム先生、内田正洋、後藤 明(予定)
詳細はhttp://www.fish-u.ac.jp/cgi-bin/ns_dtl.pl?457からご確認下さい。

●7月15日 水産大学校のカッタークラブの学生と実習艇の試乗会、市民との交流。

●7月22日 大阪『なにわの海の時空館』にて講演会が決定しました。
13:00から14:30分です。

●7月23日 グアムへ帰国。
by west2723 | 2007-07-02 21:03 | ホクレア

"I will be Back!!"とマカさんは言った〜番外編

実を言うと、土曜日に逗子駅で別れたマカさんは、Uddahさんと共にユーミンのコンサートに行ったのだった。「何でユーミン?」と皆さんは思うかもしれないけど、ユーミンとは家族ぐるみの付き合いのUddahさんが、彼女から「ぜひ〈ホクレア〉のクルーの人に会わせて!」と頼まれていたからなのだ。ということで、以下はUddahさんからの報告です。

逗子駅でwestと別れたマカは、横浜アリーナへ。
眠くて、瞬間寝が連続する。
横浜アリーナでは、ユーミンの『シャングリラ3』初日。
マカはゲストでボックス席の8番へ。
とにかく、その凄さに圧倒されるマカ。
しかし、マカは理解する。彼女は日本と世界をつなぐ存在だと。
「コノショーハ、カノジョノダンナサンガ、キカクシテルノ?ソレナラ、カノジョ、シアワセネ」
家族ってのが大事だと言うマカ。
マカも、家族はみんな航海カヌーの世界にいる。
眠いはずだけど、マカはしっかり起きていた。というか拍手しっぱなしだった。
ユーミンのツアー、つまりは彼女の航海がこれから半年ぐらい続くことを知り、
「オレノボヤージ、オワッタケド、ツギハカノジョノ、コウカイガハジマルネ」と、マカは言う。
コンサート終了後、ユーミンの旦那、マンチャンに会うマカ。
「スバラシカッタ。カノジョ、ニホンニ、トテモ、タイセツナ、ヒト」
と言うマカ。マンチャン曰く、
「もう彼女に会ったの?」
「いや、これから」と、説明するオレ。
そしてユーミン登場。
「アリガトゴザイマシタ」マカ。
「どーでした?」ユーミン。
「スバラシカッタ、ニホント、セカイ、ツナイデクダサイ、ホクレアト、オナジデス。ソレデ、アノー、サイン、クダサイ・・・」
そうして東京へ向かったマカでした。

結局、予約していた便に乗り遅れたのですが、最終便に何とか乗れて、マカはハワイへ帰りました。マカは、とってもアーティストでした。彼はホクレアを芸術しているのでした。ホクレアに救われた人たちは多かったですね。でも、マカはホクレアに責任を持っている。マカが好きになった人たち、これからはホクレアを始め、航海カヌーの文化に世界に責任を持ってください。みんながそのレベルになった時、日本のカヌーが始まるのでしょう。そう、マカは語っていた。
by west2723 | 2007-07-02 10:25 | ホクレア

ありがとう〈ホクレア号〉〜その1

最近、ほとんどテレビを観なくなった。送られてくる映像が、なぜかアタマに入ってこなくなったのだ。〈ホクレア〉から伝わってくる情報ばかりがリアルで、メディアから伝わってくる情報はほとんどココロに届かない。ニュースさえも観ようと思わない。おそらく自分の生活に関わる情報も多かったことだろうけど、そんなこと知らなくても、きっとどうにかなると思えるようになる。

スピーチは苦手と語る荒木タクジさんが、横浜到着後の記者会見でひとつだけ面白いことを言った。
「メディアはなぜ暗いニュースばかり流したがるのか? 明るいニュースを流す責任も、メディアにはあるのではないか?」
たしかに、世の中には暗いニュースばかりであるはずはない。こうして〈ホクレア〉が日本航海を成功させたように、明るいニュースだってあるのだ。しかし、メディアというものはなぜか暗いニュースばかりをトップに据えたがる。そして、暗い世論ができあがる。その中で育つ子どもたちは、世の中とは暗く憎しみに満ちたものだと思うようになる。

「沖縄が見えた時、そこには水があって緑があって人の生活があるはずだと思った。そして、そんな当たり前のことが、かけがえのないものに思えた」
そんな内野かなこさんのコメントは、なぜニュースにならないのだろうか? 
「木を植えよう」とマカさんは言った。「もっと早く日本人の知恵を学んでおけば、ハワイは間違った道に踏み込まなかったに違いない」とナイノアは言った。 
そんな〈ホクレア〉から聞こえてきた言葉の数々が、今の僕にはとてもリアルだ。〈ホクレア〉こそが追うに値する存在だった。大メディアが総出で偽装牛肉を販売した社長を何日間も追いつめたところで、未来が明るいものになるとはとても思えないのだ。
by west2723 | 2007-07-01 22:25 | ホクレア