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ヤポネシアン・オールスターズ

またまたご無沙汰しちゃいました。気づいたら年末じゃないですか!
ところで戦う日本民謡歌手の伊藤多喜雄さんが、来年3月より新メンバーでの地道な活動も開始するとのこと。毎月メンバーを変えながら日本民謡の凄腕が登場するという趣向。そこで『ヤポネシアン・オールスターズ』という名前を奉納いたしました。深い森と豊かな海を誇る日本列島の実力を、音楽方面からお伝えできると思います。こんど紅白に出る時には、その名前で行ってほしいなぁ…なんてね。
by west2723 | 2010-12-25 13:53 | 音楽

変わらないなぁ…この人たち。

9月下旬から10月上旬にかけて、〈ホクレア〉クルーのチャド・パイション&ポマイ・バートルマン夫妻、そしてデニス・チャンの3人が来日していた。正確に言うとチャドはハワイ島の航海カヌー〈マカリィ〉の船長で、ポマイは〈マカリィ〉の元船長、クレイトン・バートルマンの娘。そしてデニスはカウアイ島のカヌー〈ナ・マホエ〉を建造するメンバーだ。〈ホクレア〉の日本航海は、これらハワイ諸島のカヌーの精鋭が協力して〈ホクレア〉に乗ったわけで、正確には〈ホクレア〉クルーではなく、ハワイのドリームチームとでも呼ぶべきかもしれない。

なんて細かい話はそのくらいにして、この9月、デニスが日本航海のサポートクルー、奥共樹さんの結婚式で来日した。奥一等航海士は沖縄での〈ホクレア〉第一発見者。日本航海で水先案内を務めた西村一広さんが加われない区間で、代打としてサポートに加わった。以降、〈ホクレア〉の理想に深く共感し、今ではカヌーを使った教育活動に奔走している。だったらということで、チャド&ポマイも日本に招き、カヌーを使った教育の重要性を考えるイベントを行おう、と企画したのが池田恭子さん。彼女は山口県祝島で、櫂伝馬による劇的な出迎えを目撃している。
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和服で結婚式に現れたデニス・チャンのようすは西村さんのブログで、鎌倉で開かれたトークイベントのようすはdairokuさんのブログに詳しいのでそちらをご覧いただきましょう。デニスは一足先にハワイに帰ったものの、チャド&ポマイは帰国を遅らせて、江ノ島水族館を訪ね、日本航海の後に小さなライブステージを行った茅ヶ崎の『AhuAhu』を再訪した。そうなんです。この夫妻はミュージシャンでもあり、チャド・パイションはCDも発売している。
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それにしてもハワイアンって、ホントに立ち話が好きだよね。取材でハワイにいた頃、町中でも空港でも、出会う知り合いと片っ端から立ち話を始めるから、取材がなかなか進まなくて慌てたことがある。いつの間にかそういう習慣には慣れていったけど、今回もまた、店に着いても中に入ろうとせず、こうして1時間近く立ち話が続いていた。店は貸し切り。相模湾沿岸で〈ホクレア〉の日本航海に協力してくれた人たちが、思い思いに集まって、ゆるい時間を過ごした。そう。ハワイまで〈カマヘレ〉を返しに行ったYasu・Kも豪くんも久々に現れた。特にライブを予定していたわけでもないけれど、いつの間にかチャドがギターを、ポマイがウクレレを取り出し、以降2時間余り、彼らの演奏を聴きながら懐かしい友人たちと話すという、贅沢な時間を過ごすことができた。この演奏はYouTubeでご覧ください。
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何度も繰り返し述べてきた通り、カヌーに乗ると、平和という言葉の意味をアタマではなくカラダで理解できる。陸からは遠く離れ、海に囲まれたカヌーの上、全員が交替で漕ぎ、交替で見張りに立ち、水や食料を共有し、トラブルを解決し、ひとりひとりが個性を生かしながら全員のために役割を果たし、全員がひとりのために働く。奥共樹さんや池田恭子さんが訴えるカヌーを使った教育の必要性は、まさにそのあたりにあるのではないかと、僕も大いに共感し、これからも協力するつもりです。

今回はこうして「キモチいい」場面にしか行かなかったけれど、こんな機会を作ってくれた皆さんに感謝しています。特にこの日はミュージシャンの琢磨仁さん、ありがとうございました。琢磨さんが音頭を取った、ハワイアンを交えての三三七拍子にはシビれました。〈ホクレア〉がハワイに帰って3年経ち、あの頃日本で集まっていた人たちも、それぞれの理由で離ればなれになっている。しかし今回、また再びそれぞれの距離が縮まってきたような印象を受けています。この機に、再びみんなを繋げる何かを。僕は考えておきますよ。皆さんも、どうか遠慮することなく声をあげてください。
by west2723 | 2010-10-31 10:57 | 音楽

岩手県・野田村への小さな旅〜その3

集落に出ればどこからともなく祭り囃子が聞こえる。部屋に戻ればバンドのメンバーが尺八を吹いているし、楽屋に行けば贅沢きわまりない音合わせを聴くことができる。つまりこの3日間、和楽器の音にどっぷりと浸っていたわけだけど、その間、ふと、ある思いが僕の意識の奥底から湧き上がってくるのを感じていた。
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眺める景色は普通の地方の風景なんだけど、そこに和楽器の音が重なると、その風景の持つ意味が劇的に変わってくるのだ。音楽こそが、目の前の風景を理解するジグソーパズルの最後の1ピース。しかしこの感覚は、iPodから流れてくるいつもの音楽では理解できないもので、やはり笛や太鼓や尺八など、ナマの和楽器のチカラが必要だった。
この感覚は「祈り」に近いのではないかと思った。大自然の恵みをいただきながら生き抜くための祈り。祭り囃子によって、普段は山や海に姿を変えている八百万の神さまが現れる。そして、収穫前には天候の無事を守り、収穫の時期には人々からの感謝の言葉を聞き届け、神さまは再び海や山に姿を変える。
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一方、歌には人を鼓舞するチカラもある。多喜雄さんのお父さんは漁船の船頭で、少年時代、電気の通っていなかった家での唯一の娯楽はお父さんの歌う民謡だったという。その当時は歌が歌えなければ船頭にはなれなかった。なぜなら北海道の荒れた海に漕ぎ出さなくてはならない漁師にとって、恐怖から自らを奮い立たせるために歌にチカラを借りたからなのだ。
『男度胸だ五尺の体、ドンと漕ぎ出せ波の上チョイ』というわけで、多喜雄さんはソーラン節をポピュラーだから歌うのではなく、この歌が生まれたまさにその現場にいたから歌う。荒れた海をステージに変えて、その労働の現場を歌い継いでいるのだ。
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お祭りの最後をTAKiO BANDが締めくくった。ステージの前は、この村のどこにこれほど多くの人がいたんだろう、と思えるほどの観客が集まっていた。一緒にハイエースでやって来た人たちを、こうして客席から見上げるというのも不思議な感覚だ。昨年まではブルーシートで囲んだだけのステージだったらしいけど、今年は大漁旗で飾られた。非常にコンパクトな編成ながら、吹雪のような津軽三味線と風のような尺八はいつもの通り。全部のパートが時折ユニゾンでたたみかける気合いの演奏は健在だった。
演奏終了と同時に、村の花火大会の一発目が打ち上がった。こうして、三陸海岸北端の村は、暑かった今年の夏を賑やかに見送ったのだった。
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野田村の皆さま、お世話になりました。村長は「この村には観光が何もない」などと謙遜するけれど、とても豊かな村だと思いました。大きな海と深い山。ほとんどの子どもたちが日本民謡を歌う、伝統文化の色濃い村。ムリに観光を興すでもなく、村おこしにムダなカネを使うでもなく、野田村がこうして自然体のまま、平和な日本の村であり続ける限り、僕はいつでも「観光で」やって来たい。
これからも未来永劫、秋には豊かな実りが訪れますように。
by west2723 | 2010-09-03 11:46 | 音楽

岩手県・野田村への小さな旅〜その2

伊藤多喜雄さんの音楽は、漁船の船頭だった父親から仕込まれた現場感覚溢れるタマシイの歌唱だけではなく、和楽器をズラリと揃えた『TAKiO BAND』による、たたみ掛けるような、アドレナリン全開の演奏を特徴にしている。あくまでも津軽三味線、尺八、和太鼓などの和楽器を中心に据えた編成が基本になるけれど、ジャズミュージシャンからの応援も多く、時にはドラム、ベース、ピアノ、サックス、ヴァイオリンなどを加えた大編成になることもある。ドラムに村上ポンタ秀一さん、サックスに坂田明さんが加わった、2005年NHK紅白の演奏を覚えている人はいるかなぁ…。

このバンドはメンバーの入れ替わりが活発で、多喜雄さんは積極的に若手の和楽器奏者を起用する。現在プロとして活動する和楽器奏者の多くが『TAKiO BAND』を経験しているほどだ。今回は尺八二人、津軽三味線一人に、女声ヴォーカルの柿崎竹美さん(この人がまた、秋田出身の天才民謡歌手です)という編成。翌週に控えた上海万博の会場に和太鼓を送ってしまっていることもあり、このようなコンパクトな編成になった。バンドは楽器運搬用のハイエースに乗り、運転を交替しながら東北道を北へ向かう。ところで、こういう移動の時間に曲順を決めたりするんだね。知らなかった。
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到着後、バンドが合宿所としているという古民家に向かった。どうですか、この風格! 村の中心部から狭い山道を走ること20分ほど。このような古民家が数軒ならぶ限界集落が忽然と現れる。すでに住民がいなくなった集落を、まるごと村で買い取り、『アジア民族造形館』という施設として保存を決めたものだ。やるなぁ、村長。消えかけていた民家がこれほど立派だったなんて、このような取り組みがいかに大切なものかがわかる。
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多喜雄さんは、その中の一軒を借りてバンドの合宿所にしている。神棚や調度品も残っており、以前ここに住んでいた人の生活が偲ばれる。その日は気温30度を超える暑さだったものの、中に入ってびっくり。畳の部屋にはどこからともなく風が入ってきて、冷房の必要がなかったという日本家屋の実力を体感する。あまりの涼しさに、バンドのメンバーはあっという間に昼寝に入ってしまった。
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土間に向かうとさらにびっくり。誰もいなかったはずの囲炉裏に火が入っているのだ。このような古民家は、囲炉裏の煙を絶やすとすぐに傷み始めるとのこと。そのために『アジア民族造形館』のスタッフが毎日火を入れているらしい。もちろん、室内は隅々までキレイに手入れされている。このような維持管理ができるのは自治体あってのもの。こういうことに使われる税金は、未来に向かって生きてくるはずだ。何ならふるさと納税しようと思うんだけど、村長から連絡が来ないなぁ…。
by west2723 | 2010-09-03 10:57 | 音楽

岩手県・野田村への小さな旅〜その1

初めて野田村の村長さんにお会いしたのは、梅雨明け間もない7月の下旬だった。日本民謡歌手の伊藤多喜雄さんに誘われて、恵比寿の居酒屋で飲み始めてからほぼ1時間後、村長は汗を拭きながら、重そうなバッグを抱えて現れた。こんなに書類を抱えて、いったいどんな出張なんだろうと思ったら、全然違うんです。見せてくれたバッグの中には、野田村名産の自然海塩『ベコの道』『塩蔵わかめ』の真空パックがぎっしり。こうして野田村を離れるたびに、会う人ごとに、この塩とわかめを手渡しているという。凄いなぁ〜と思った。働く首長さんは、人知れず、こんな努力をしているんだ。
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野田村は三陸海岸の北部に位置し、海あり深い山ありの、大自然がそのまま残る村だという。目立った観光こそないけれど、全国の自治体の中でも、特に交通事故の少ない村だとのこと。村民の安全と平和な暮らしを守り、村長自らが、こうして村の産業のPRに歩く。五穀ならぬ護国豊穣。このようなリーダーを相手に、党派がどこかなんて聞きたいとも思わない。そんな話は小さいのだ。僕は国会議員にも何人か会ったことはあるけど、東京でろくに仕事もせず、地元での人気取りばかりがナリワイになってしまった彼らより、たとえ小さくても故郷を背負うリーダーの方が、はるかに大きく見える。
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ところで特に観光が無いとは言うけれど、この辺りの夏祭りで歌われる民謡が、『ソーラン節』を始めとする北海道の多くの民謡の基礎になっているらしい。そんな縁もあって、伊藤多喜雄さんと村長のつき合いが始まって3年目。日本中で失われようとしている民謡を発掘し、怒濤のような和楽器の演奏によって蘇らせてきた「戦う民謡歌手」にとって、これは意気に感じるつき合いであることは間違いない。そして今年も小さな村祭りのビニールシートのステージに、NHK紅白二度出場の歌手が立つというのだ。そんないいもの見に行かなくてどうするの、ということで、この小さな旅が始まった。
by west2723 | 2010-09-02 18:09 | 音楽

自然の音を、ここまで豊かに再現できるCDがあったなんて……知らなかった

久々に、この世知辛いヨノナカに対して強くお勧めしたいCDを見つけたので紹介しておきます。これは凄いです。どうして今まで知らなかったんだろう、と、後悔してしまったほどの作品で、今ではほとんど毎晩寝る前に部屋で流れているという次第。タイトルは、上の一枚が『AMAMI』で、下が『NSO(=The Nature Sound Orchestra)』というもの。いずれも森の気配や鳥の声、虫の声、あるいは波の音などの「自然音」を集めて編集された作品で、たとえば『AMAMI』はタイトルの通り、奄美大島の自然音が、バイノーラル録音という方式でリアルに再現されるというものです。
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どんな音なのかはサンプルが公開されているので、まずはだまされたと思って聴いてみてください。どうですか? 凄いでしょう。ヘッドフォンを使って聴くように指示がありますが、PCのスピーカーで聴いても充分に違いがわかるはずです。なお、このページの「CD's」をクリックすれば、全作品のサンプルを聴くことができます。
これまでもこうした自然音のアルバムは多く出ていたけれど、どれも一度聴いたら飽きてしまうようなものばかりだった。理由はおそらく「ただ音を録った」というだけで、そこには何らアーティスティックな作業の跡が感じられなかったからだ。
しかし、この作品は、その点が全く違う。あくまでも最新の技術で録音され(バイノーラル録音については、先ほど紹介したホームページをご覧ください)、森の音、鳥のさえずり、波の音、かすかに聴こえる歌声、などなどが、アルバムの流れに乗って、起承転結みごとに構成されているから、最後まで一気に聴けてしまう。キモチ良くなって、そのまま眠ってしまうこともあるけれど。
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作者はジョー奥田さん。80年代にドラマーとして渡米し、LAでスタジオミュージシャンとしてキャリアを積んだ後、90年代は音楽プロデューサーとして、LAを拠点にかなり多くの大物アーティストを手がけている。やはりこのようなプロが手がければ、自然音もこれほど優れた作品として世に出せるというわけですね。
二枚目に紹介した『NSO』は、ピアノやサックスも「自然音の邪魔にならない程度に」加わった、非常に聴きやすい仕上げとなっています。どっちのCDもお勧め。さらに、「四万十川」「屋久島」という、日本の自然の「聖地」で録音された作品もあるけれど、これからゆっくり聴こうと思います。
ということで、蒸し暑い夏の夜にぜひ聴いてみてください。CDが回り始めたその時から、あなたの部屋は、誰もいない月夜のビーチという仕掛け。いや、ホントにいいですよ!
by west2723 | 2010-07-29 19:40 | 音楽

深夜の東京湾と、南風に流される雲を眺めながら

このところ長く続いている緊張感から、一瞬でも解放されたいと思った。少し俯瞰した場所から今の生活を眺めてみたいとも思った。なんてね、回りくどく言えばそういう言い方になるのだけど、つまりちょっと部屋の模様替えをして、風水なども意識して、ベッドを窓に沿うように置き直したというだけのことです。そして、さっきからずっと東京湾の夜景を眺めていました。

湿度が高く、空がとっても低い。天使は降りて来そうにないけれど、強い南風に流されて、窓の少し高い位置を雲がビュンビュン流れて行くのだ。深夜の雲なんだけど、東京の夜にも「自然」というものはこうしてやってくるんだぜ、と言われているようで、けっこう心強い。ぼんやり眺めているだけで、2時間くらいすぐに経ってしまうね。

ウイスキーのソーダ割りを作り、音楽を流してみたら、まるでフルサトに帰ったような気分になった。音楽はiPodに入れた1970年前後のものをシャッフルしてます。誰でもご存じの曲が多いはずです。ビートルズとかストーンズのように楽曲の多いアーティストの場合、そこから何を選ぶかによって気分が分かれるようですね。もしも趣味の合う方がいればお試しください。

・Don and Dewey/It's a Beautiful Day
・Massachusetts/Bee Gees
・Holliday/Bee Gees
・The Circle Game/Joni Michell
・Both Sides Now/Joni Michell
・Those are the Days/Mary Hopkin
・Down by the River/Neil Young
・Tell Me Why?/Neil Young
・After the Goldrush/Neil Young
・Willin'/Little Feat
・Ruby Tuesday/Melanie
・Tell Me Why?/Melanie
・Lay Down/Melanie
・CrossRoads/Cream
・WhiteRoom/Cream
・I am the Walrus/The Beatles
・Strawberry Fields Forever/The Beatles
・She's a Rainbow/The RollingStones
・Somebody to Love/Jefferson Airplane
・High Flying Bird/Jefferson Airplane
・Wasn't Born to Follow/The Byrds
・The Ballad of Easy Rider/The Byrds
・You Can Close Your Eyes/James Taylor
・Come All Ye/Fairport Convention
・Back Street Slide/Richard & Linda Thompson
・Civilization/Richard & Linda Thompson
・Jet Plane in a Rocking Chair/Richard & Linda Thompson
・Stairway to Heaven/Led Zeppelin
・America/Simon & Garfunkel
by west2723 | 2009-05-18 01:22 | 音楽

こんな夜に……

忌野清志郎さんが亡くなった。やっぱダメだったのかぁ、とは思いながらも、真似しようにもできないあの声と、ホノルルセンチュリーライドで見せてくれた速さはしっかりと脳裏に焼き付いている。
とにかく合掌です。

あの人の凄さは、何をやっても「臭く」ならないところだった。何をやっても常にポップなのだ。
難しいことを歌っても決して説教臭くならなかったし、どんなメイクをしても決して浮かなかったし、自転車に乗っても決して汗臭くならなかった。いつもワクワクしながら、誰でも受け入れる謙虚さと、誰でもついておいでというフトコロの深さを持ち合わせていた。

それまではMTBにしか乗らなかった僕が、ロードバイクもいいなぁ、と思ったのは、清志郎さんのドキュメンタリー「奥の細道」をテレビで見てからだった。そうか、こういう自転車の乗り方もあるのか、こういうダサくないウエアの着こなしもあるのか、と。僕はそれから仲間数人と銀座から新潟までロードバイクで走り、そのようすをレポートしたことをきっかけに自転車のムックを作った。

もちろん清志郎さんにもお会いした。ホノルルでは少し一緒に走ってみた。そして全然ついて行けなかった。清志郎さんは100マイルを6時間30分ほどで走っていたと思う。僕は7時間30分くらい。
かなり先に到着した100マイルの折り返しポイントでは、キモチ良さそうにタバコを吸っていたっけ。

ポップであること。何をするにしても、それを心がけておかないことには何も伝わらない。人はそれぞれ難しいテーマを抱えながら生きているものだけど、それを難しいまま伝えようとしてもメッセージにはならない。そんなことを、清志郎さんを見るたびに思っていたもんです。彼こそまさにオンリー・ワンだった。あの身軽な姿を、立ち居振る舞いを、センスを、絶対に忘れないようにしよう。
by west2723 | 2009-05-04 12:56 | 音楽

我は海の子 〜 Kanaka Wai Wai

あの有名な曲をスラッキーで弾けないものか、ちょっと頑張ってみた。日本の曲には「繋ぎ」でマイナーコードが入ることが多いんだけど、これが難題だったな。スラッキーに短調って、どうにもしっくり来ない。とは言え曲の雰囲気と開放弦との相性はいいので、どこかにベストポジションがありそうな気がする。あるいは、バックは12弦でコードだけを弾いて、メロディは「泣ける」ボトルネックがいいかもしれない。目指す演奏は『Chicken Skin Music』でライ・クーダーがギャビィと競演している『Always Lift Him Up〜Kanaka Wai Wai』あたりかな。

ということで皆さん、この曲の歌詞は以下の通りです。悲しい歴史を背負った歌でもあるけれど、前半の歌詞には癒されまくりです。かつての日本には、これほどまでに海への愛情や心意気や責任が育まれていたのかと、しみじみ思うばかり。後半の歌詞は僕にとって、戦争で逞しい海の仲間を失ってたまるかという、いわば平和を願う歌でもあります。

我は海の子白浪の
騒ぐ磯辺の松原に
煙たなびく苫屋こそ
我がなつかしき住家なれ

生れて潮に浴(ゆあみ)して
浪を子守の歌と聞き
千里寄せくる海の気を
吸いて童(わらべ)となりにけり

高く鼻つく磯の香(か)に
不断の花の香りあり
渚の松に吹く風を
いみじき楽(がく)と我は聞く

丈余の櫓櫂(ろかい)操りて
行く手定めぬ浪まくら
百尋千尋(ももひろちひろ)海の底
遊び慣れたる庭広し

幾年ここに鍛えたる
鉄より堅きかいなあり
吹く塩風に黒みたる
肌は赤銅さながらに

浪にただよう氷山も
来らば来れ恐れんや
海まき上ぐるたつまきも
起らば起れ驚かじ

いで大船(おおぶね)を乗出して
我は拾わん海の富
いで軍艦に乗組みて
我は護らん海の国
by west2723 | 2008-09-16 01:16 | 音楽

スラッキーギター

どうにかカヌーが漕げるくらいには僕の肩も快復してきたけれど、意外なことにギターが弾けなくて驚いている。アコースティックギターを弾く姿勢は、まず肩を正面に直角に開き、続いて前腕を前に垂らす。この「前に垂らす」時に腕は内側にねじれ(これを内旋と言うんだけど)、さらに手首をブリッジに近づけると内旋はより大きくなる。

僕の肩のケガとは、腕を外にねじる(つまり外旋する)筋肉と上腕骨の接合部にあるので、ギターを弾くとその「接合部」が無理やりストレッチされて傷むという仕掛け。まあ何と言いますか、ギターを弾くのも命がけってわけです。ということで、今のところはギターを膝の上に立てて弾いてます。そう、琵琶法師のように。

とは言えスラッキー、けっこうわかってきた。チューニングさえわかれば、あとはそのチューニングでのコードをアルペジオするだけでどうにかサマになる。なんてことを言いながらチューニングを見つけるのが至難の業なんだけど、これはMakalaniさんのスラッキーギターレッスンに行けばタブ譜つきで教えてもらえる。

それにしても、どの世界にもその道のスゴイ人っているもんで、このレッスンに来る人って弾ける人ばかりなのだ。スラッキーに目をつけたオレって偉い? なんて密かに思っていたんだけど、もっと偉い人がたくさんいたというわけ。いったい日本の「スラッキー人口」ってどのくらいなんだろう?

ボトルネックギターでもおなじみのオープンGチューニングのことを、ハワイアンではタロ・パッチ(タロイモの田圃?)と呼んでいる。開放弦のゆる〜い感じと、高音のキラキラした感じを組み合わせるポジションを選びながら、知っているハワイアンの曲を片っ端から試してみる。これで指が痛くならなければいいんだけど、今のところ続けて10分が限界かも。
by west2723 | 2008-08-17 20:45 | 音楽