慌てないということ

僕が〈ホクレア〉と関わるようになって、性格的に最も変わったことは「決して慌てなくなった」ということだと思う。高い出張費を払って向かったカワイハエで、来る日も来る日も炎天下で出航を待っていた日々。しかしあの場のゆ〜ったりした時間の流れの中にいると、なぜか全然ストレスを感じなかった。毎朝真剣なリーダーシップミーティングは行われているんだけど、結局は今日も出航は取りやめという判断が下る。そしたらその日もシゴトにはならない。しかしそれでも焦らなかったなぁ。むしろ、シロートにはわからない時空の先を見据えた判断があるのだろうと感じていた。

出航の準備が整っても、ステアリングを壊してまで〈ホクレア〉自身が出航を拒んだ。沖縄を見失ったために、糸満港では満潮で潮止まりという絶好のタイミングで入港することができた。福岡の出航が遅れたために、祝島では神舞の出迎えを受けることができた。すべては予定通りに進まなかったために、最良の結果を残すことができた。「待てば海路の日和あり」「急がば回れ」「ゆっくり急げ」「動かざること山のごとし」まあ、先人たちはいろいろな言葉を残してくれたもんだ。「慌てなくていい、いずれカヌーは現れる」と言ったのはタイガー・エスペリだ。

雑誌の話が進みません。組織の不備、条件の不備、スタッフの意志の不一致、などなど、このまま出航しても遭難すること間違い無しの状況なので、しばらくは風向きの変化を見ている以外にありません。一方、違う港から出港する内野かなこさんのフォトドキュメントは、出航予定こそ大幅に遅れるものの、準備は整いつつあるようす。まずはこちらに期待だな。「慌てなくていい、いずれカヌーは現れる」。そうなんだ。これまでもそうだった。モノゴトが動き始める時と言うのは、いつも雑誌のイメージが先に現れ、僕はそこに向かって進んで行くだけ、ということが多かった。

ということで、今は「風待ち」です。こういう時は、日頃テキトーにやっているルーティンワークを見直したり、カラダのコンディションを整えておきたいと思う。
by west2723 | 2008-05-12 22:44 | 陸での話


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