ありがとう〈ホクレア号〉〜その3

港に行けばいつでも〈ホクレア〉が浮かんでいる、というのはとても幸せなことだった。「見に行こうよ」と友だちを誘えばいつでも〈ホクレア〉を見ることができて、そこには働き者のマカさんを始めとするクルーたちがいて、「家族」という言葉が比喩でも誇張でもキレイごとでもない、ココロからリラックスできる空気があった。僕はそんな幸せな時間を、沖縄と(気軽に見に行くにしては、宿から港まで少し遠かったけど)宇和島と三崎と横浜で経験した。ハワイでは、サンドアイランドにいる時もマリタイムセンターにいる時も、あれほど気軽に〈ホクレア〉に接することなんてできない。そのような意味でも、あの日本航海は特別なことだったと思う。
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とは言っても雨の日は宇和島新内港まで見に来る人なんていなくて、クルーも市内でのイベントに出かけている中、僕はひとりでしみじみと〈ホクレア〉を眺めることができた。日に焼けて色あせたロープやテント、ドライフラワーと化したレイ、無造作ながらもキチンとカラビナで留められたボトル、などなどを眺めるうちに、このカヌーは本当に〈ホクレア〉なんだと実感することができたもんだった。1月にハワイを出て以来、ずっと熱帯の海を航海し続けてきた。ウェブでしか伝わってこなかったジョンストン環礁やチューク、サタワル、ヤップなどなどの日差しが、色あせた〈ホクレア〉の随所に刻み込まれていた。本当に〈ホクレア〉は日本の海に浮かんでいたのだ。
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いや、別に何を書こうというわけではないんだけど、今こうして少しずつ、あの日々を振り返っている。ようやく総括するココロの準備ができたので、場面場面を思い出しながら、あの時に見たもの、感じた空気、匂い、などなどを辿ろうとしている。匂いまで記録できれば、いつでもあの時の気分に戻れるでしょう? こうすることによって、何かいいまとめのキーワードが見つかるような気がしているのだ。そうすることによって、ようやく次の一歩が踏み出せる。
ということで、このブログも少しずつ最後のまとめのシリーズに入ります。
by west2723 | 2007-08-05 00:02 | ホクレア


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