マカさんのポーが聞こえる

出航は朝の8時と聞いていたので、ちょっと早めに7時15分頃ぷかり桟橋に行ってみたら、すでにクルーは集合し、最後の出航準備に追われていた。「来たか、これが最後だもんな」とマカさん。「明日から鎌倉に行くから、よろしくな」とのことでした。これまでは鉄の規律でもあるかのようにマジメなコメントを繰り返していたクルーだったけど、今日は「雑誌ができたら送ってよね」みたいな調子で連絡先を交換したり、会う人ごとに記念撮影をしたり、されたり、を繰り返していました。どのクルーにとっても日本航海はかなりの衝撃だったようだけど、それ以上に、彼らからは明日ハワイ行きの飛行機に乗って家族の元に帰れる、という安堵のキモチが伝わってきます。
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まるで筏のように丸裸になった〈ホクレア〉を想像していたんだけど、まだ充分に居住空間を残していた。とは言え、荷物を下ろし、かなり軽くなったので、ナイノア・トンプソン船長は喫水を計る。船底には、すでにびっしり海藻が付着していた。
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カヌーの片づけに追われながら、集まった人たちのサインの求めに応じるアンクル・マカ。マカの書き文字は美しいのだ。〈ホクレア〉のイラストの背景にはレインボー。なお、マカがいつも自転車用のグローブをしているのは、ロープを扱うからなのだよ。これが無いと、火傷することもある。
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柵の向こうにいた見送りの人たちをクルーたちが招き入れる。そして、全員で輪になって最後の祈りが捧げられた。この後、トンプソン船長やマカさんは、集まった全員をハグして回った。
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桟橋で見送ろうとしていたら、「どうしたんだ、キミも来るんだ」とトンプソン船長。「このまま会社に戻ってシゴトで」などという言い訳は通じるわけもなく、とにかく〈ホクレア〉に飛び乗り、もうすっかり見慣れた桟橋が遠ざかるのを見ていた。

それにしても船長は忙しく、大黒ふ頭に向かう短い間でさえ、クレーンで吊られる時に思わぬパーツがこぼれ落ちないよう、すべてをロープで結び続けている。三崎〜横浜間を伴走している時も、〈ホクレア〉の上で絶えず動き回っているのはトンプソン船長だった。
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マカさんのポーが聞こえる。横浜の空は、今日も快晴だ。この次、この音を聞くことができるのは、いったいいつのことなのだろう。大黒ふ頭までの回航とは言え、カヌーの上では船積みのための準備が慌ただしく続いていた。〈ホクレア〉の航海は、まだ終わっていなかったってわけだ。
by west2723 | 2007-06-21 15:19 | ホクレア


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