〈ホクレア〉は、歌いながらやってくる

それは〈ホクレア〉がアオテアロア(ニュージーランド)航海を行った時のこと。上陸する直前にマオリのカヌーの出迎えを受けたそうで、「その時、彼らは歌のようなものを歌っていた」とナイノアは話してくれました。この「歌」とは、お察しの通り「ハカ」のことです。オールブラックスがラグビーの試合前に行う、あの儀式もその一種です。マオリの手こぎカヌーには一艇30人くらい乗っていて、そいつらが一斉にハカを始めたって言うんだから大変な迫力だったことでしょう。

で、まあとにかく〈ホクレア〉のクルーは「歌」の意味がわからない。とりあえず「アロハ」と答えるのが精一杯。で、後で聞いてみるとそれはカヌーの口上で、戦いの前に自らが何者かを名乗り合う儀礼であることがわかった。日本にも戦国時代以前の武将同士「やあやあ我こそは……」と名乗り合う習慣があったけれど、あれとまったく同じもの。で、ハワイの人たちも考えたわけです。オレたちもああいうのやろうよ、と。今でこそカヌーにはそれぞれのハカがあるけれど、実はそんな感じで生まれたものらしい。そんな話を聞くたびに、ハワイの文化って絶滅寸前だったことが実感されます。

ところで日本に来る時には〈ホクレア・ハカ〉は聞けるんだろうか? ハカを聞くためにはこちらも受けて立たなくてはならないわけで、「やあやあ我こそは……」ってやることになるのかな? 出迎える自治体の皆さん、準備は進んでますか? いずれにしても、あのカッコいいハカをナマで聞きたい。聞けばたぶんびっくりしますよ。デッキを踏み鳴らしながら「歌う」姿に、血が騒ぐはずです。写真や映像で〈ホクレア〉の姿は何度か見ているからこそ、日本で〈ホクレア〉の姿を見ても、あまり「来た」という実感がわかないかもしれない。しかし、音として入ってくる〈ホクレア〉情報ってめったに無いので、ハカを聞いて初めて来航が実感できるような気がします。どうかお楽しみに。
by west2723 | 2006-12-10 00:11 | ホクレア


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