もっと、農家からのTweetを読みたい!

(下の話の続き)
旅先でたまたま聞きかじった話ではあるけれど、このような問題は、おそらく日本全国の農村でも起きているんだろうと想像する。そしてこれは農業だけではなく、漁業でも林業でも、あらゆる第一次産業の現場で同様に起きているんだろうと想像する。

怖いことだよね。都会に住んでいると衣食住のほとんどを「誰かが作ってくれたもの」に頼っていて、そんな生活が続いていることに何の疑問も感じないけれど、この供給が突然途絶えたらどうなるんだろう。途絶えないまでも、価格がジリジリと高騰することもある。また、すべてが同時に止まることは無いまでも、「食」の一部の供給が止まり、パニックが起きることもある。想像するだけでは何もしないのと同じだけれど、困ったことに行動の切っ掛けとなるような確かな情報があまりに少ない。

ネットがあるじゃん、と思う人も多いはずだ。しかしご存じの通り、玉石混淆の情報を検索しながら必要な情報に辿り着くには、一日中コンピュータに向き合わなくてはならない。しかも肝心の農家のお年寄りたちが自らブログやツイッターやUSTを駆使しながら情報を発信し続けてくれない限り、いつまで経ってもリアルな情報など流れてこない。情報を集めるにあたってネットは万能なものと思われがちだけど、発信者がいない限り、ネット上には情報の空白地帯が生まれる。それが誰の目にもおなじみの、日本の農村なのではないかと僕は思い始めている。



もちろん、地方によっては頑張って発信している人はいるけれど、日本中の農家が、特にお年寄りが横に繋がってネットで頑張らない限り、おそらく人を動かすほどの情報にはならない。
c0090571_1023354.jpg
一方で一昨年あたりから、ネットの世界にはかなりの変化が訪れている。ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルネットワークが普及し、UTubeやUStreamによって一般の人も気軽に映像配信できるようになり、さらには電子出版が登場し……という具合。インターネットが登場してしばらくの間、ネットはビッグビジネスの世界に行ってしまった印象があったけれど、今のこの動きは、ネットがもう一度個人のもとに帰ってきたようで、とてもうれしいことだと思う。

とは言え、これらはまだまだ都会人のオモチャに過ぎない。たとえばツイッターの利用者の半数は首都圏在住。UStreamを眺めても、都市部で発信された映像を、都市部の人が見ているだけだ。どんなにサービスが充実しても、情報はすべて都市部で完結してしまう。しかし、これが一度、都市部から踏み出してみたらカクメイが起きるんじゃないか、というのが僕のイメージだ。コミュニケーションの方法は進化し続けている。だったら次に伝える内容を進化させれば、ネットはいよいよ本来の機能を発揮し始めるのではないか。

たとえば今、都会で頑張っているネットの使い手たちが一斉に帰郷するなり地方に定住するなどして、農家のお年寄りの代理として農村の現状を伝え始めればどうなるだろう。ネットの世界をザッと見回しただけでも、「green」な「起業家」なんていっぱいいる。もしも彼らが本気で「持続可能な社会」の実現を考えているならば、まずは都市部と農村部との間に立ちはだかる情報格差の壁に風穴を開けて欲しいと思う。情報があれば人は動き始める。人が動けば、おカネも回り始める。快適な都会に住んだままネットでエコバッグの利用を訴えるよりも、情報の流れを再構築した方が、はるかに環境に対する効き目があるのではないか。そうなれば、僕は何でもお手伝いしますよ。

ちなみに写真は僕が訪ねた集落ではなくて、帰りに通りかかった島根県の山間部。あまりに普通な田園風景の、堂々とした普通っぷりに思わず撮ってしまったものです。圧倒的な緑、水の張られた田んぼ、わずかに人の手が加わることによって、恵みをもたらしてくれる自然。この風景が、100年経ってもこのままでありますように。
by west2723 | 2010-06-27 22:15 | 陸での話


<< 関門海峡 東京で語られる「green」へ... >>