周防大島〜その2

たしかに島とは言うけれど、周防大島って東西にけっこうデカい。本州と島を繋ぐ大島大橋を渡ってから、島の東部、宮本常一の出身地である東和地区まで15kmくらいあったんじゃないかな。だから橋を渡って「さあ着いたぞ」と思ってしまうと、感覚的に、そこから先がとても遠くなってしまう。
これほど大きな島でありながら、これといった観光のメダマは無い。無いけれど、そこには濃密な森の気配、そして魚の息づかいが聞こえてきそうなほど豊かな海がある。地元の人たちは、ごく日常的なこととして釣りを楽しんでいる。もはやこれ以上、何が必要だと言うんだろう。
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〈ホクレア〉が沖縄に到着して間もなく、写真家のニック加藤さんは一足先に周防大島に入り、この島のようすをかなり細かく見て回ったらしい。そんな中、「いい喫茶店を見つけたんですよ〜」と教えてくれたのがたぶんこのお店、『コナ』なのだ。大島大橋から移民資料館に向かうメインストリート沿いにある。目印は未だ現役で活躍する赤い郵便ポストだ。

オープンしたのは40年も前のこと。以来、店内の雑貨は年を追うごとに増え続け、今はこんな具合。開店当時は現役だったオープンリールのオーディオセットもそのまま。今ではすっかりアンティークと化している。コーヒーの挽き売りもしてくれて、例えばハワイコナは東京の8割くらいの金額で買うことができる。ちなみにブレンドコーヒーは一杯400円。
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「ここは豊かな島ですよ。見ての通り田んぼはあるし海もあるし、ご近所の農家は食べきれないくらいの野菜を届けてくださるし、お米さえ用意しておけば、食べるに困ることはないんじゃないでしょうか」と、阪神ファンの奥さんは語ってくれた。「ワタシもこのお店は、道楽でやっているようなもので……」

地方イコール仕事が無い、という、最近の日本ですっかり定着した常識は、この島ではどうも当てはまらないように思う。護岸の仕事もけっこう多いらしい。それによって工事が行き過ぎたり、不要なテトラポットが並ぶのはイヤだけど、環境が破壊されている、というほどの印象は受けない。いずれにしても、この島の中で経済が完結している印象が強い。実際のところはどうなんだろう? 大島にお住まいの方、そのあたりの事情をお知らせいただければサイワイです。
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ところで、この島で見る濃密な森のほとんどが原生林だという。長い間、橋が架からなかったために乱開発から免れたのだろうとのこと。日本中どこにでもあるような、ゴルフ場だらけのリゾートにならなくてホントによかったと思う。

ということで、周防大島でのセンチメンタルジャーニーは終わった。大島商船のF先生、ご挨拶もせずに大島を去ってしまってスミマセン。その日は平日。ワタシが来たくらいのことで、学校の先生を呼び出すわけにも行かないと思い遠慮いたしました。このままアロハ、させていただきます。
なお、せっかくの被写体なのでトイカメラ風に撮影してみました。ちょっとやり過ぎたかな? 企画倒れを正直に認めつつ、レタッチせずに載せておきます。
by west2723 | 2010-06-06 12:14 | ホクレア


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