桂浜

徳島県池田市を出たのが朝の9時頃。「龍馬ブーム」の真っただ中、週末の高知に向かうのは危険なことかもしれないけれど、恐いもの見たさも手伝って、カーナビを桂浜にセットしてみた。大歩危渓谷を眺めながら、のんびり走って11時には桂浜に到着。この時間にはブームはそれほど加熱していなくて、駐車場にもすんなり入れたし、観光客の姿もまばらだった。海の水は青く、波は穏やかで高さは脛、トロめのブレイクといったところ。今、ここにカヌーがあればなぁ、と思わずにいられない光景だった。
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僕が司馬遼太郎の『龍馬がゆく』を読んだのは学生の頃だった。そして誰もが同じ感想を持つように、あの人物の先を見通す能力、発想のオリジナリティ、平和裏にモノごとを解決する能力、ケンカの強さ、オトコとしての大きさ、などなどに、強く憧れたものだった。一方で、坂本龍馬に憧れるあまり人生を狂わせてしまったヤツにも多く出会った。龍馬を語るサークルの先輩や会社の上司ほど鬱陶しい者はなかった。坂本龍馬のような人物を目指してはいけないのだ。あの人物は、歴史上に唯一無二だからいいのだ。そもそも、龍馬自身が誰も進んだことの無い道に分け入ったのだから、憧れるからにはマネをしても空しいばかり。さらに険しいオリジナルの道を進まなくてはいけない。
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司馬遼太郎の龍馬では、おしまいの方に龍馬がお忍びで土佐に帰り、船からこっそり桂浜に上陸するシーンがある。僕はなぜかあの場面が好きだった。まさかその浜に、自分の銅像が立つなんて、本人は想像さえしていなかっただろう。それにしても、おなじみの像はデカかったなぁ。5月いっぱいは像の隣に写真のような台が組まれていて、真横から龍馬像を撮影することができる。1回100円。そのバカバカしさがうれしくて、ワイドレンズを装填して上ってみたら、こんな写真が撮れました。
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まだ電気も無かった時代、見よう見まねの航海術を頼りに、木造の蒸気船で江戸、神戸、瀬戸内海、関門海峡、長崎へと出て行く行動力と勇気は、冒険の足りない僕にはとても想像がつかない。以降、幕末から鉄道網が完成する明治半ば頃までの間、日本列島では船が最も速く、重要な交通手段となる。きっと、僕がフェリーでやってきたあの航路を、覚えたての航海術で下級武士たちが行き来していたのだ。やはり、日本列島に住む限り、海を忘れたら道を見失ってしまう。これからでも遅くはないから、もっと海に出なきゃイカンね。
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ところで話は変わりますが、高知の人たちってウワサ通り、ホントに酒飲むよね。この写真の賑わいは、まだ夕方の5時ちょっと過ぎ。ちなみに4時頃からこんな感じでした。もっともここは高知市の中心部にある『ひろめ市場』という大きな屋台村だから観光客も多かっただろうけど、酒飲みにはタマランですね。僕はドラマですっかりおなじみとなったナマの土佐弁が聞きたくて、あちこちのテーブルで聞き耳を立てていたんだけど、それほど「……ぜよ」は聞けなかった。「……ろう」はけっこう聞けた。なんにしても高知の街、けっこう賑やかでラテンでした。この街はホントに気に入った。ぜひまた近いうちに、ゆっくり時間をかけて行ってみたいと思う。
by west2723 | 2010-05-31 20:38 | 陸での話


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