吉野川

午後1時30分頃、徳島に上陸。翌日の夜に高知で友人に会う予定があったけれど、それまでの1泊2日はフリーだ。徳島から海沿いに高知に行けば、県境のあたりに村を挙げて町村合併を拒んだ「日本でいちばん美しい村」連合の馬路村がある。そこにはぜひ行っておきたいと思いながらも、吉野川という川も非常に気になっていた。ここは楽園写真家と呼ばれる三好和義さんの故郷で、タヒチの写真を撮り集めている頃から吉野川にも通い、やがて写真集を出版した。自然の恵みを巧みに利用しながら生きる故郷の人々を、愛情ある視線で追った写真集は今でも印象に残っている。ということで、当時新進の写真家として絶頂期を迎えていた三好氏がこだわった故郷に敬意を払い、まずは吉野川沿いに上流まで遡り、そのあたりで宿を決めることにした。無ければどこかの道の駅で車中泊しちゃえばいいのだ。
c0090571_1814357.jpg
高速道路は使わずに、下の国道沿いに進む。新緑のこの季節、日本国内を旅行するには最高の季節じゃないかと思う。とは言え国道沿いは日本国内どこにでもあるような建物ばかりでツマラナイけれど、時折姿を見せる吉野川のお陰で何度も脇見運転をしてしまう。下流域も過度な護岸はされておらず、流域には広大な農地が広がる。山がちな、狭い四国の中にあって、吉野川の周りだけは空が広いという印象。明治の頃から何も変わっていないような田園風景を走り、やがて中流域の脇町に道の駅があったのでクルマを停めた。吉野川の土手を上ってみると、遠くに沈下橋が見えた。沈下橋とは、洪水になっても流されないように水の抵抗をきわめて小さく作る橋のことで、橋桁が低く、欄干は無く、幅も狭い。このような橋は四万十川でよく見たけれど、吉野川にもあるとは知らなかった。この橋はクルマも通れるけれど、幅は3~4mくらい、手すりも欄干も無いので、歩いて渡るのも怖いよ。
c0090571_20143828.jpg
かなり上流の池田市に来ると川はこんな感じ。池田と言えば高校野球で有名だった池田高校のある街だな。通り沿いに一軒、なぜかビジネスホテルがあったので覗いてみたら宿泊OKだった。通りの両側は険しい山がそびえ、午後17時には日が沈んでしまった。池田高校は打撃が強く、やまびこ打線なんて呼ばれていたけれど、国道沿いはそんなにのどかな雰囲気ではなかったな。とにかく絶え間なくトラックやクルマが通るので、やまびこなんて聞こえてくるはずもないのだった。
by west2723 | 2010-05-31 18:13 | 陸での話


<< 桂浜 海の道、入門編 >>