そうだ、広島へ行こう!

原爆によって破壊される前の、産業奨励館(=原爆ドーム)周辺の風景をCGで再現させる。そんな試みを行っている田辺雅章さんというCG作家の仕事ぶりがテレビで紹介されていて、なぜかココロがざわついてしまった。これまで考えたこともなかったけど、今は平和記念公園となっている広大なエリアには街があったというのだ。

街の様子は、僕が小学校時代を過ごした川崎大師駅前商店街の雰囲気に似ていて、今住んでいる月島の商店街にも似ている。原爆投下直前の街のにぎわいが、自分の記憶と重なる。焼け野原となった広島の姿は何度も写真で見ているけれど、こうして、原爆が落ちる前の街の様子がわかると、そこで何が破壊されたのか、核兵器とはどのようなものなのか、より深くリアルに理解できるように思う。

行くなら今かな? と思った。僕はこれまで日本中のほとんどの大都市に行ったことがあるけれど、なぜか広島にも長崎にも行ったことがないのだ。写真や映像でさんざん見慣れたつもりの平和記念公園や原爆ドームでさえ、一度も自分の目で見たことが無い。〈ホクレア〉がやって来たあの夏にも行けなかったくらいだから、僕の広島との無縁ぶりはかなりのものだったのだ。

「日本人だったら、平和記念資料館には一度は行かにゃあ〜ダ〜メですよ」という、テレビ新広島のダミさんの言葉には逆いようもなく、「そんじゃオバマ大統領の代わりにオレが行く」ということになった。中国では万里の長城を歩く余裕があったくせに、日本にいながら広島に行かなかったオバマ大統領のもったいぶった態度が不満だった。抹茶アイスの話程度で、僕は騙されないのだ。

そしてもう一つ、この時期に広島に行く理由は、この街が全国的なブームとなる予感があるからだ。
今年に入って、東京のニュースに「広島」が登場することがとても多い。きっかけは言うまでもなくオバマのプラハ演説で、それに対して広島市長が敏感に反応し(ただし、オバマジョリティという安易なネーミングはやめてほしいけど)、長崎市と共にオリンピックに立候補したり、県に無断で立候補するなんてケシカラン、な〜んて広島県知事からツマラン注意を受けたり。

オバマ政権下で新任の駐日アメリカ大使が、着任早々広島の平和資料館を見学に行ったというニュースが流れた。鞆の浦の景観訴訟で勝訴、というニュースもあった。西条市にある酒類総合研究所の予算が事業仕分けで削られた。広島出身のPerfumeが絶好調……。こうしてサブリミナル広告のように、僕の頭の中には「広島」という地名が刷り込まれて行った。
ということで、行ってきました。たったの3泊だったけど。
by west2723 | 2009-12-01 00:08 | 陸での話


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