『アロハ!私のオハナ 〜 テレビ新広島』

〈ホクレア〉以降、再びテレビ新広島のダミさんが作った番組をようやく見ることができた。取材は昨年の夏から始まり、広島では3月にオンエアされた。〈ホクレア〉を追いかけるうちにすっかり日本が好きになってしまったという、ダミさん渾身のドキュメンタリー、第三弾です。

話は広島とハワイで同時に進行します。主役はお父さんが広島出身という日系二世のトコヨ・カワカミさん、87歳。あのアロハシャツの老舗〈イオラニ〉の創業者だ。〈ホクレア〉を紹介する番組を作った時、ダミさんはカワカミさんにもインタビューしていた。
「亡くなった父が広島の加計(カケ)という町の出身だとは聞いていました。でも、私の故郷についてわかることはそれだけで、家族がいるのかどうかもわからないんです」「故郷を一目見ておきたいし、家族がいれば一度会っておきたいけれど、ハワイから一度も連絡をしたことがないので、嫌われているかもしれない」
というカワカミさんの話に動かされて、何と、あのダミさんはそのご家族を捜し出してしまったのだ。

加計町(現在の安芸太田町)を訪ねたところ、カワカミさんの旧姓である野美さんという名字のお宅が1軒だけあった。訪ねてみると、野見家の若い娘さんは「遠い親戚にハワイに渡った人がいる」という。さらに彼女は野美家の家系図まで作りながら、まだ見ぬ家族のことを思っていたのだった。
ハワイに渡ったという人物の名は野美登見二郎さん。カワカミさんのお父さんの名前だった。さっそく周防大島のハワイ移民資料館に足を運び、データベースで検索する。1892年、21歳の若さでハワイに旅立っていた。

一方のカワカミさん。息子さんと二人のお孫さんの三人はハワイでもけっこう名の売れたハワイアンバンドで、昨年は日本でもコンサートツアーを行っている。そのツアーにはカワカミさんも同行していたのだけど、彼らの宿泊先にダミさんのカメラが入って行くのだ。
そしてあのダミ声が続く。「ご家族が見つかりましたよ」。

そこから先の再会の映像は、全国ネットに期待しましょう。「このような天国のような土地からハワイに渡るには、かなりの勇気が必要だったと思いますよ」「これで私の人生は完結しました」。初めて故郷の風景を眺めたカワカミさんの言葉に対して、僕の拙い解説では役不足だ。

いろいろな縁があって、これまでハワイと日本、遠く離れて暮らしていた見ず知らずの二組の家族が、一瞬にしてひとつの家族になった。こういうことをアロハ・スピリットと呼ぶんだなぁ、と、しみじみ思ってしまうのだった。
by west2723 | 2009-05-19 23:59 | ホクレア


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